大判例

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高松高等裁判所 昭和25年(控)50号 判決

以下は、判例タイムズに掲載された記事をそのまま収録しています。オリジナルの判決文ではありません。

公判調書を調べると、原審裁判長は被告人が被告事件について陳述したのに引き続いて被告人に対し起訴事実に関する動機及事実、行為の詳細並その後の状況等について詳細に順次問を発し、もつて被告人に詳細な事実を陳述させていることは所論の通りであつてそれは刑訴法第二九一条第二項に云う被告事件についての陳述に関連する争点の整理と云う程度を超えておるものと云わなければならない、しかして証拠調前の段階において被告人に斯様な陳述を求めることは刑訴法第三一一条第二項の規定があるとは云え新刑訴が被告人訊問の制度を廃し第二九一条、第二九二条に公判審理の順序を規定し、かつ証拠調の段階においても検察官のする冒頭陳述には、裁判所に事件について偏見又は予断を生ぜしめる虞ある事項の陳述を禁じ又証拠調請求にも自白に関するものは、他の証拠が取調べられた後でなればならない等(第二九六条但書第三〇一条)の規定を設け只管偏見や予断を生ぜさせないよう深甚な配慮をしていることの趣旨に鑑み違法と云わなければならない。しかし記録を調査するに、右陳述がその後の審理における尋問並その他事実調べの経過又適法に調べられた証拠の取捨判断及それによる事実の認定後起訴状に関する判断等に影響を及ぼしておる形跡は認められないばかりでなく叙上審理の経過判断等と仮りに右陳述が最後にされたものとして審査をしてみても審理の経過や証拠の判断及び認定等が異る経過を辿り異る判断に達するものとは思われない等のことから本件においては右訴訟手続における法令の違反が判決に影響を及ぼすことが明らかであるとは認められないので結局所論は採用し難い。

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